ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

【追記】リオオリンピックのカヌーの川にソファーは沈んでいたか、他オリンピックのガセネタ調べ

JULIA リオ オリンピック 競技 ロゴ マイクロファイバー タオル 男女兼用 柔らかい お風呂に White One Size 抜群の肌触り♪

 

さて、なんだかんだで、みなさんオリンピックを楽しんでいるようで。しかしながら、ブラジルのリオは、色々と直前まで(今も?)ごたごたしていて、こんなニュースが。

jin115.com

 

カヌーの選手が練習中に、川に浮かんでいたソファにぶつかったとか。ほえー、ブラジルならありそうな感じ、と思ってしまいます。

 

まあしかしながら、ロシアの虚構新聞「スプートニク」が元ネタの話でございますので調べてみたら案の定ガセネタで、そのほかもついでに、オリンピックのウソかマコトかニュースを検証してみたいと思います。

 

 

 

 

***

 

 ソファーの写真はイタリアのもの

さて、このソファーの写真、画像検索をすれば、リオのものでないことはすぐわかります。

 

www.repubblica.it

 

写真の解説だけで元記事が見つけられなかったのですが、アドレスを見る限り、2010年7月20日の記事で、イタリアのテヴェレ川にゴミが多すぎることを嘆いている内容のもののようです。まったくブラジル関係ありませんね。

 

スプートニクは、記事の送信者は、

 

「カヌー競技参加選手の一人が、練習用の水路に沈んでいたソファにぶつかり、水中に落ちた。もしこれが本当なら、今週の重大ニュースになるだろう」と書き込んだ。

 

と書いているのですが、このツイート主は

 

 

「Rio2016」「kayaksofa」とタグをつけているものの、どこにも「カヌー競技」とか「練習用の水路」とか「ソファーにぶつか」ったとか「水中に落ちた」とか、どーこにも書いてありません。どこまで想像力を膨らませたら、こんな記事がかけるんだ。

 

【8/12追記】

と書きましたが、一応そういう真偽不明のニュース自体は存在するようです。

www.sportingnews.com

スプートニクも全くの想像で書いたわけではないんでしょうが、しかし、そうしたらその該当ツイートをのっけて欲しいもんです…

【追記ここまで】

 

 

 

カピバラはいるようだがPGAに農業部門はいない

さて、ゴルフコースにカピバラが生息しているということでも話題になっています。

jp.sputniknews.com

これは元記事のナショナルポストのリンクを貼ってますね。

news.nationalpost.com

確かにカピバラ他、様々な野生生物が生息しているようですが、細かいところで恐縮なのですが、別に「捕獲」はしてません。「カピバラいるよ、すげーなブラジル」というだけです。

 

あと、すっごい気になる表現があって、「カピバラが3、40頭いるよ」と言っている人の肩書きが「プロゴルフ協会(PGA)農業部門代表マーク・ジョンソン氏」なんですが、なんでプロゴルフなのに「農業部門」があるんですか。

 

これは要するにコース管理として、農学関係(元記事ではagronomy)出身の職員が常駐しているんですね*1。マーク・ジョンソン氏は、そういう「コース管理部門」として働いているのであって、「農業部門代表」と書くと、まあ、完璧にマチガイではないんだけど、野菜つくるみたいになっちゃうんでよろしくないかと。あと、これは細かい部分ですが、「PGA」ではなく「PGAツアー」の人です。「PGAツアー」は「PGA」から独立してできた団体なので、間違えてはなりませぬ*2

 

 

強盗を射殺した「ロシア副領事」は何者か

これはガセネタではないですが、いっときネットを賑わしたニュースがありました。

digital.asahi.com

 

「ロシア副領事」を名乗る男が、襲ってきた強盗を逆に返り討ちにしたという内容で、初めは「おそロシア」状態だったネットも、後にその「副領事」が詐称だったといことで、「(別の意味で)おそロシア」となったニュースです。

 

で、結局誰だったんだって気になりませんか?皆さんの代わりに調べておきました。

 

www.thesun.co.uk

 

The Sunによれば、「Marcus Cezar Feres Braga」というブラジルの弁護士とのことです。しかしなんで「ロシアの副領事」を名乗ったのかは不明。

 

地元紙の「O GLOBO」によれば、

oglobo.globo.com

私のポルトガル語翻訳が正しければ、彼は2009年4月にも強盗事件に巻き込まれ、応戦したんだということです。そういうタイプの人なのかもしれません。いずれにせよ、彼は偽造の容疑がかかっているので、苦しい立場にはなりそうです。巷では、ロシアが再三否定をするので、「KGBか?」なんてウワサもたってるんだとか。

 

 

リオの世界的な美容外科医の年齢が違う

 

あとは、日本人にはなじみのない世界的な美容外科医がなくなったニュース。彼は死の前日に聖火を運んだんだとかで、ニュースになりました。

megalodon.jp

「90歳」という表記ですが、各種海外の報道を見る限り、「93歳」が正解です。なじみがないですからね。

www.bbc.com

 

http://www.nytimes.com/2016/08/08/obituaries/dr-ivo-pitanguy-pioneering-brazilian-plastic-surgeon-dies-at-93.html

 

g1.globo.com

 

これは朝日が悪いというよりも、初報の地元メディアのいくつかが「90歳」と間違えていたためなのかと思います*3。姑みたいな隅のつつきようでスミマセン。

 

 

以上、リオオリンピックに関するあれやこれやの話題を検証してみました。やっぱり最初のスプートニクのカヌーの話が衝撃的ですね。そろそろまとめサイトの皆さんは、スプートニクをソースにするのをやめませんか。

 

これは宣伝ですが、スプートニクは本当にガセが多すぎるので、以前にも検証していますので、ご参考までに。

ibenzo.hatenablog.com

 

ibenzo.hatenablog.com

*1:https://www.linkedin.com/in/mark-johnson-a9829229?trk=seokp-title_posts_secondary_cluster_res_author_name

*2:PGAツアー - Wikipedia

*3:Globoは記事を訂正していて、「Correção: ao ser publicada, esta reportagem errou ao informar que Pitanguy tinha 90 anos. O erro foi corrigido às 21h55.」と、最初は90歳で書いてしまったと記載しています